「英語に興味があるけど、本当にこの年齢から始めても大丈夫?」と思ってはいませんか?
実は、英語学習に年齢はあまり重要ではありません。本記事では、65歳からでも遅くはない理由と、年齢に合った英語学習方法をお伝えします。
65歳から英語学習を始めても遅くない理由
年を取ってから英語学習を始めても遅いと思い込んでいる人は多いようです。
しかし、最近の研究では、英語学習は何歳からでも遅くないことや、年齢に関係なく大きなメリットがあることがわかっています。
あなたが目指しているものはネイティブ並みの英語力?
「年を取ってから英語を勉強しても遅い」と信じている人が多いのは、幼児の英語教育が注目され「早い方がいい」と騒がれているからでしょうか。
もちろん、大人は幼い子供の習得の早さにはかないません。今からネイティブのように完璧な発音や流暢さを手に入れるのは難しいでしょう。
しかし、あなたが目指したいのはネイティブレベルの英語力でしょうか?
そもそも、英語を実用レベルで使用している人のうち、ネイティブスピーカーはたった1/4程度。また、ネイティブであっても、国や地域によって使う単語が違ったり、発音も違ったりします。
・翻訳なしでそのままの言葉を理解したい
・海外旅行を楽しみたい
・教養・趣味として英語を身に着けたい
・知り合いの外国人と英語で話せるようになりたい
上記のような一般的な目的であれば、ネイティブレベルの英語力は必要なく、65歳からでも十分達成可能です。
英語学習に必要な知能は意外と衰えない
60代、70代の人が英語学習を諦める理由として、「年を取ると物覚えが悪くなるから」という方が多いのではないでしょうか。
しかし、最近の研究では、年齢による知能の低下はかなり緩やかであり、その中でも言語能力や理解力、洞察力などの「結晶性知能」とよばれる知能は特に低下しにくく、高齢になっても十分維持されることがわかっています。
高齢とよばれる65歳になっても、言語学習に必要な能力はそれほど衰えないのです。
特に英語学習においては、個人の能力や短期的な記憶力はそれほど重要ではなく、重要なのは継続力。言葉というのは、学習の過程で何回も繰り返し出会い、徐々に覚えていくものだからです。
毎日少しずつでも英語学習を続ければ、英語はできるようになります。
定年退職し、若い頃より時間に余裕がでてきた方も多いのではないでしょうか。ぜひ諦めずに、勉強を始めてみてください。
日本人は思ったより英語を知っている
日本人は英語に対して苦手意識があるのか、自分の英語力を低く評価しがちですが、実は日本人の英語力はそれほど低くありません。
日本では義務教育でも英語を習いますし、「カフェ」「チケット」「スーパーマーケット」など、英語でもそのまま通じるカタカナ言葉も街に溢れています。大半の方は基本的な単語や文法はすでに知っているのではないでしょうか。
「習った英語は全部忘れた」という方は、試しに以下の文を読んでみてください。
「It is never too late to learn a new language.」
「新しい言語を学ぶのに遅すぎるということはない」という意味の文ですが、あなたはいくつの単語を知っていましたか?
文の意味はともかく、単語は全部知っている、見たことはあるという方が多いのではないでしょうか。
英語で最も頻繁に使用される単語はたったの1000語。これだけで、英語のネイティブスピーカーの会話で使用される単語の約8割をカバーできます。
そして、その1000語のうち、多くはあなたがすでに知っている単語。
なんだかできそうな気がしてきませんか?
他の言語と違い、ある程度の基礎がある英語なら、学習を始めるのもそれほど難しくありません。ぜひ自信を持って一歩を踏み出してください。
年齢を活かした英語学習の楽しみ方
60代、70代には若者にはない強みもあります。年齢を活かして英語学習を楽しむ方法を紹介します。
心にゆとりを持って英語学習自体を楽しむ
あなたが60代、70代になって英語に興味を持ったのであれば、きっと「英語学習を趣味にしたい」とか「英語で話せるようになりたい」とか、何かしらの想い・好奇心があるからでしょう。
そのような自発的な動機付けや好奇心は、学習において一番重要なことです。
若い人は確かに言語学習に有利ですが、「受験や就活のために嫌々勉強する」「テストが終わったら勉強もやめる」という人がほとんど。それでは結局英語力はたいして身に着きませんし、楽しくもありません。
年齢ならではの心のゆとりを活かして、好奇心のおもむくままに英語学習を楽しんでみましょう。外から強制されるよりずっと楽しく、記憶にも定着しやすいはずです。
旅行や趣味での英語活用で知的好奇心を満たす
学生の頃は全く興味のなかった歴史や文学、映画などが、年を取るにつれ面白いと思えてきた、という人は多いようです。
年齢を重ねるにつれ、物事をより深く味わえるようになるからでしょうか。
海外旅行先で訪れた博物館で、展示物の解説をゆっくり読んでみたり、好きな小説の原文を読んでみたり、知的好奇心を満たすために英語の勉強をするのはいかがでしょうか。
若い頃は「つまらないな」と思っていたことも、ひとつひとつ向き合うことで「意外と面白い」と感じるかもしれません。
「あの国の文化についてもっと知りたい」「気になったことを質問してみたい」という気持ちで英語を勉強することで、英語力だけでなく教養も身につきます。
国際交流を通じた友達作り
国際交流を通じて英語を話せる友達を作るのもおすすめです。
国際交流イベントでは、若い人が「日本文化や歴史の知識がなく、日本に関する質問に意外と答えられない」と言っているのをよく耳にします。
経験を重ねた60代、70代の方であれば、日本の文化・歴史・政治など、若い人よりは詳しいジャンルが何かあるのではないでしょうか。
国際交流イベントには「日本のことをもっと知りたい」と思っている人が来ているので、歴史や政治について説明できたり、自分が若い頃の体験談を交えて質問に答えてあげたりできれば、一気に交流が深まります。
国際交流は若者だけのものではなく、イベントによっては様々な年齢層の方が参加しています。是非参加して、交流を楽しんでみてください。
65歳からの英語勉強法
65歳から英語学習を始める方におすすめの勉強法を紹介します。
効果的なリスニング練習法
大人のリスニング力は聞き流すだけでは向上しない
「聞き流すだけ」タイプのリスニング練習法は、幼い子供には有効かもしれませんが、大人にはあまり効果がありません。もっと意識的なリスニング練習が必要です。
言っていることがわからなければ、再生速度を落として聞いてみる。それでもわからなければ、スクリプトを見て、わからない部分の単語の発音を確認してみるなど、1つ1つの音に意識的に向き合いましょう。
毎日の練習でリスニング力向上
リスニング力を鍛える上で重要なのは継続することです。
毎日少しずつでもいいので、リスニングの時間を作りましょう。
最近では、決まった時間に待機していなければいけなかったラジオ英会話などと違い、スキマ時間に少しずつ学習できる便利なアプリやサービスが増えています。
是非そういったものも活用し、自分のペースでリスニング学習を進めてみてください。
会話力を伸ばすスピーキング練習法
英語の会話力を向上させるための心構えと、練習相手を見つける方法を紹介します。
スピーキングに必要な心構え
まず、スピーキングで一番大事なのは心構えです。
人前で必死になる姿を見せたり、間違えたりするのが恥ずかしい、という日本人は多いようです。特に年を取ると、若い人の前で文法を間違えたり、わからないことを聞くことに抵抗が出てくる方も多いのではないでしょうか。
スピーキングが上手くなりたければ、そのようなプライドは捨てることが大切です。
実際、周りの人はそれほどあなたの英語力や発音を気にしていません。
あなたはこれまで、外国人が片言で日本語を話している姿を見て、「滑稽だ」「耳障りだ」と思ったことはあるでしょうか?
むしろ「頑張ってるな」と関心したり、「応援したい」という気持ちになった経験のほうが多いのでは?
相手も同じ人間。伝える姿勢を見せれば真剣に耳を傾けてくれます。正しい文法や発音の間違いを恐れず、どんどん話してみましょう。
フレーズ練習でスムーズな会話を目指す
英会話で初心者の多くが困るのは「言いたいことをその場で文にできない」ことです。
これには、フレーズ練習が効果的です。
英会話には決まった形のフレーズがあるので、いくつか覚えることで、多くのシーンで応用することができます。
学習中に出てきたフレーズをそのまま丸ごと覚えるのがおすすめ。
一度で暗記しようとせず、何回も口に出して反復するとよいです。
繰り返すことで、フレーズが会話中にパッと出てくるようになります。
頭の中で単語を文法に従って並べていると、時間がかかって会話が止まってしまいがち。
瞬発力を鍛えて会話力を高めましょう。
オンラインでの言語交換パートナー探し
スピーキングは何よりも実践が大事。
「定期的にスピーキングの練習がしたい」という方には、言語交換のパートナーを探すことをおすすめします。
言語交換とは、「外国語を学びたい人同士が、お互いに自分の話せる言語を教え合うこと」です。
英語学習者の場合は、自分は相手に日本語を教え、相手からは英語を教えてもらうことになります。
リアルな英語を学べることや、基本的に無料なので続けやすく、定期的に会話することで英語を使う習慣がつくのがメリット。
普段の英語学習中にも「この表現、次の会話で使ってみよう」とアンテナを張って勉強することができるようになり、記憶が定着しやすくなります。
最近では、オンラインの言語交換イベントも。気軽に始めやすく、世界中の人と会話ができることが魅力です。
65歳で言語交換を始めたいのなら、本記事の最後では紹介するOhanashi Kagawaがおすすめ。多くの年代の方が参加されており、英語で話す時間と日本語で話す時間がしっかり確保されています。
文法・単語学習のコツ
文法・単語学習は、スピーキングやリスニングなど、すべての能力の基礎となる部分。60代、70代の方におすすめの学習方法を紹介します。
文法書の選び方と活用法
英語学習をこれから始める方は、文法書を一冊用意しておくとよいでしょう。
気をつけるべきことは、受験や資格試験向けの文法書など、内容が難しすぎたり細かすぎるものを選ばないことです。
資格試験に合格することが目的であれば、もちろんそれでもいいのですが、英会話など一般的な用途であれば重要な文法が簡潔にまとまっている本がよいでしょう。
最初に1度軽く目を通しておき、その後はわからないことがあったときに参照するために使うのがおすすめです。
好きな教材を使った単語学習
自分の興味の方向性が明確であれば、出てきた単語をその都度学習するスタイルがおすすめです。なぜなら、必要な単語というのは人によっても目的によっても異なるからです。
例えば、「旅行で英語を使いたい」のであれば、受験やTOEIC対策の単語帳を使うのは非効率ですし、「新聞を読みたい」のであれば、新聞記事でよく使われる単語から学んでいくのが一番の近道です。
自分の好きなトピックの教材を選んで、わからない単語に出会ったら、ノートやスマホに書き留めておくのがおすすめです。
文章中で出てきた単語は、単語が含まれていた文章も書いておくとより効果的。
もし市販やアプリの単語帳を使いたい場合は、「日常英会話用」「旅行用」など目的に特化したものを見つけるとよいでしょう。
英語学習の継続とモチベーション維持
過去に英語学習を始めたものの、続かずに諦めた経験のある方も多いのではないでしょうか。
英語学習を長期間続けるコツと、モチベーションを維持する方法を紹介します。
目標設定と振り返り
SMART法を使った目標設定
英語学習を始めるにあたり、目標設定は重要です。設定した目標が曖昧すぎたり、目標が高すぎたりするとモチベーションの低下につながるからです。
効果的な目標設定に役立つ、SMART法を紹介します。「SMART」は、以下の5項目の頭文字を取ったものです。
Specific(具体的な):目標は誰が聞いても同じ認識を持てるほど具体的なものにする
Measurable(測定可能な):目標は計測できるものにする
Achievable(達成可能な): 目標は頑張れば達成できるものにする
Relevant(関連した): 自分の目指すゴールにつながる目標にする
Time-bound(期限を定めた): 目標には期限を設定する
この5つの基準を満たす目標を設定することで、モチベーションが維持され、目標達成率が高まるといわれます。
学習ログや日記で振り返り
目標を立てたら、あとは行動するのみ。その際、学習記録をつけておくことをおすすめします。
学習記録をつける1番のメリットは、成長を実感できること。
英語を学習していると、勉強しても全然前に進んでいないような気分になり、落ち込むときがあります。しかし、数か月単位など長期スパンで見返すと、実際は自分で思っているよりもずっと成長しているもの。
記録が残っていると「この時はこんな簡単なことで苦労していたんだ」ということがわかります。今までの成長を実感でき、継続への意欲がわきます。
また、復習しやすくなるのも大きなメリット。学習したところはしばらく経ってから見返すようにしておくと、記憶への定着率もアップします。
モチベーションを維持するコツ
英語学習を継続するためのモチベーション維持方法を紹介します。
仲間との学習コミュニティ作り
モチベーション維持には、学習の仲間づくりがおすすめです。
学習コミュニティに入るのもいいですし、SNSなどで同じく英語学習をしている人とつながるのもよいでしょう。
第三者の目があると学習が継続しやすいですし、おすすめの学習法など、有益な情報を教えてもらうこともできます。
英語学習の成果を発揮する機会を増やす
モチベーション維持のためには、学習の成果を試す機会を設けることも有効です。
ただ勉強を続けているだけでは、本当に身に着いたのか、いまいち実感しにくいからです。
会話ができるようになりたいのなら、オンラインの言語交換コミュニティなどに参加して、実際に話してみましょう。
定期的に参加することで、「今回は上手く説明できた」とか「前より少し聞き取れるようになったな」など自分の成長具合が見え、モチベーションが保てます。
65歳以上にもおすすめ「Ohanashi Kagawa」で言語交換
「Ohanashi Kagawa」は、日本にいても無料で海外の人と交流できるオンラインの国際交流イベント。
使用言語は英語と日本語で、今まで50カ国以上から2000名を超える方が参加しています。
国際交流イベントというと若い人が多いイメージがあるかもしれませんが、「Ohanashi Kagawa」には幅広い年齢層の方が参加しています。むしろ10代、20代は少なめで、落ち着いた雰囲気です。
基本的に交流は1対1※で、日本語と英語で話す時間が15分ずつ設けられているため、お互いの言語を教え合いながら会話を楽しむことができます。
また、セッションは日本語の会話から始まるため、最初に日本語でお互いのことを知ることができ安心です。
イベントは毎週土日に行っています!是非あなたも参加してみませんか?
※参加人数の都合上3人ペアになることもあります
h2:まとめ
英語学習は、したいと思ったときが始め時。楽しむ心を忘れず、少しずつでも継続すれば、英語は何歳からでもできるようになります。
是非本記事を参考にして、英語学習を始めてみてください。
参考記事:https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/koureisha-shinri/shinri-chinouhenka.html